中小企業経営者のための
マーケティングブログ
デジタルマーケティングを利用して
「集客を強化したい」 「売り上げを上げたい」
経営者のために実用性の高い情報を発信
人間心理を学ぶ

人は期待された通りの結果を出す | ピグマリオン効果

他人から期待されていると感じる時、みなさんはモチベーションが上がりますか?それとも下がりますか?

実は、人は誰かに期待をされている時、やる気が出て成績が上がりやすくなります

このように期待によって人の成績が上がることを心理学的に「ピグマリオン効果」と呼びますが、ビジネスでも大きく注目されている、経営者ならば知っておきたい心理学です。

当記事では、そんな「ピグマリオン効果」についてご説明します。

人は期待されると成績が上がる | ピグマリオン効果

期待一つで成績が上がる劣等生

ある学校で、成績が優秀な生徒と、成績が悪い生徒が集められ、それぞれクラスを作りました。

成績が優秀な生徒はAクラス、成績が悪い生徒たちはBクラス。

Aクラスは成績が優秀であり、Bクラスは成績が悪い生徒たちである事実を、それぞれのクラスの担任教師には隠したまま、あえて逆の成績を伝えました。

Aクラスは成績が悪い生徒たちの集まりで、Bクラスは成績が優秀な生徒たちの集まりだと。

この説明を受け、本当は成績優秀であるAクラスの担任教師は、生徒に “期待していない” という態度を取りました。

一方で本当は成績が悪い生徒たちがいるBクラスの担任教師は、生徒たちに “期待を込めて” 接しました。

そうすると驚くことに、元々成績優秀だったAクラスの生徒たちの成績は下がり、元々成績が悪かったBクラスの生徒たちの成績は向上しました。

担任教師の態度一つで、成績が優秀だった生徒は成績が下がり成績が悪かった生徒たちの成績が上がったのはどうしてでしょうか?

人は期待されると人は成績が上がる

ここでは、担任教師の生徒たちへの態度を敏感に察知したことが、生徒たちの成績に影響を与えたと考えられています。

担任教師から期待されていない生徒たちはその通りに成績が下がり、期待されていた生徒たちもその通りに成績が向上したのです。

この実験の結果から、「人は期待された通りの結果を出しやすくなる」ことがわかりました。

上記の実験、実は1964年にサンフランシスコの小学校で実際に行われたものです。

詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

 

ピグマリオン効果

「担当教師の期待(=態度)によって生徒の成績が向上/堕落する」このことを、ピグマリオン効果と呼びます。

つまり、人間は無意識のうちに他者から「認められたい」「褒められたい」との欲求を持つものですが、期待された通りに成果を出す傾向があるのです。

期待と成績に相関関係があり、内容も非常に単純な心理効果であることから、ビジネスにおいても注目され、活用されています。

ビジネスへの活かし方

ピグマリオン効果1ビジネスへの活かし方としては、大きく以下3つのやり方があります。

  • 裁量を与える
  • あなたならできる」の言葉
  • 褒める・評価する

裁量を与える

裁量を与えるとは「判断をする権限、または立場を与える」ことです。

そしてそれはつまり、相手を信じて任せることを指します。

そうすることで、相手は口にはしなくてもあなたからの期待を感じることができ、その期待に沿ったポジティブな結果をもたらす可能性が高まると考えられます。

相手があなたの部下であれば、部下に要件を伝え指示を出し、あとは部下に任せます

そうすることで、上司であるあなたの期待を裏切るまいと、必死に応えようと頑張ってくれると思います。

子供に対しても、子供だからできないと初めから何もさせないのではなく、この子ならできると期待し、きちんと説明し、任せます

親に任せられると子供は自信がつき、恐れずにチャレンジするでしょう。

「あなたならできる」の言葉

「あなたならできる」という期待の言葉をかける、またはそのような姿勢で接することも一つです。

言葉としては、他には「あなただからお願いしている」「あなたに期待している」というように、ポジティブな言葉をかけます。

期待をしているような姿勢で接するとは、例えば過度な介入をしないことです。

部下の仕事をレビューする(=評価する、見直すこと)ことは上司の務めですが、一度任せた仕事について何度も報告させたり、詳細に確認したりすると、部下への期待どころか不安が伝わってしまいます。

ある程度の報告は義務付けても、大方は任せて、レビューする時にも大きな方向性だけずれていないことだけを確認するようにしましょう。

ポジティブな言葉をかけることは、相手に根拠のない自信とやる気を与えます。

ただし、必要以上に相手を褒めるとプレッシャーを感じてしまい、逆効果になってしまうので注意です。

 

褒める・評価する

適度に相手を褒めることは非常に大切です。

例えば、部下からの報告があったとして、部下の報告内容や成果物が期待を下回ることだとしても、部分的にでもきちんと褒めてあげるのです。

部下も必死に任せられた仕事に向き合っているわけですから、その中できていない箇所にのみフォーカスして、指摘だけを行えば相手は否定された気分となり、やる気はマイナスになります。

自分自身も頑張ってきたことを否定されれば、どれだけやる気が損なわれるかは想像に容易いことです。

しかし、これができていない人は意外と多く、私もサラリーマン時代に部下を誉められない上司を数多く見てきました。

「できていないものはできていないのだから、指摘されて当然」、「仕事なんだから甘えるな」と正当化しますが、人間心理には反しますので改める方が得策です。

まとめ

人は期待された通りの結果を出しやすくなる、それがピグマリオン効果です。

結果を出しに行くのであれば、そしてそれが個人ではなくチームで行うのであれば人間心理に従って、相手への期待を伝えてあげることが非常に重要です。

上手に相手のやる気を引き出して、チームで結果を出しにいきましょう。